「dog ear(犬の耳)」とは、本を読んでいるときに気になるところがあったら、ページの端をちょっと折って、印をつけること。
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人間とコンピュータはある界面(インタフェース)を介してインタラクションすると考えられているが、界面そのものが消滅し、両者が一体化する可能性が出てくる。情報的なサイボーグである。
(中略)
従来型のサイボーグでイメージされているのは、人体と機械(コンピュータ)との直接的な結合であるが、今後の研究で注目されるのは、これらの機械が人とコンピュータとのより密接なインタラクションを実現するのみならず、そこから引き出される情報がネットワーク上で通信・蓄積されるという可能性であろう。たとえば血糖値モニターから得られるリアルタイムのセンシング情報が、他の行動記録センサーの情報などと共に、かつてない精密さで記録されるようになる。これらの情報が大量の糖尿病患者から収集されるようになると、血糖値の精密な時系列変化やそれが身体に及ぼす影響などを従来とは比較にならないレベルで検討することができるようになる。前節で述べたようなライフログやセンソノミーの身体版であり、集合知的にこの値が集積・分析されるようになると、医療や健康管理などの分野に大きなインパクトを与える可能性がある。(中略)
二〇世紀では、自然界の観察からその原理を追求するサイエンスと、原理を応用して実際のものを構築するエンジニアリングとが科学技術の両輪として機能してきた。二一世紀はさらに、究極の人工物であるサイバネティックアースのような巨大存在に対して、さらにサイエンスからのアプローチがあるという新しい連携が生み出されていくだろう。そこでは、かつてジュール・ヴェルヌが「空想できるものはかならず実現できる」と予言したように、あるいはアインシュタインが「知識には限りがあるが想像力は世界を包含する」といったように、「何を空想できるか」という人間のイマジネーション能力が人類を導く重要なドライブフォースとなるだろう。
暦本純一「サイバネティックアースへ サイボーグ化する地球とその可能性」、
『オープンシステムサイエンス 原理解明の科学から問題解決の科学へ』(所眞理雄ほか/NTT出版、2009)第7章