1.  だからアメリカ人は、仕事がなくなって首を切られて、しかたなく別の職場で前よりも安い給料で働くようになって、当面の間新しい自動車は我慢しなければならくなったとしても、買い替えの時期が来ているんだから1年もすれば必ず新しい自動車を買うのだ。
     車の長期所得弾力性が1.1だという数字はそういう意味で、たとえこのままアメリカ経済の回復が止まって、実質経済成長率がマイナス1.0%のままになったとしても、長期的な自動車の需要は(それに1.1を掛けた)マイナス1.1%にしか減らないということなのだ。
     そして経済学の大原則は、短期に引き起こされたギャップは、長期では必ず修正されるということを示している。
    — 『会社のデスノート トヨタ、JAL、ヨーカ堂が、なぜ?』(鈴木貴博/朝日新聞出版)